2016年(平成28年度)八戸三社大祭のチラシが公開されました!
今年も27台の山車の題名と場面が出揃いましたのでご紹介します。
山車題名と場面
神明宮
【廿六日町山車組】
玄宗皇帝の夢物語「鍾馗」
端午の節句で知られる鍾馗は、中国に伝わる道教の守護神である。中国の唐の時代に実在した人物とされ、自害したと伝わっているが、重い病いに苦しむ玄宗皇帝の夢の中で、邪気を退散させ加護をした。山車の場面は小鬼を捕らえ災厄を鎮める鍾馗をはじめ学業成就を叶える菅原道真公(すがわらのみちざねこう)と無病息災を願う、大国主命(おおくにぬしのみこと)と八神姫命(やがみひめのみこと)を配し、大願成就と世界の平和を祈願する。附祭山車奉納120周年を寿ぎ祝いの出陣である。
【新荒町附祭若者連】
大坂夏の陣『光り武者南部信景』と『赤備え真田幸村
1614年、豊臣家が再建した方広寺(ほうこうじ)の釣鐘をきっかけとして「大坂夏の陣」が始まり、南部信景(なんぶのぶ かけ)は南部利直(なんぶとしなお)の密命を受け、豊臣方として大坂城に入城し、真田幸村らと共に徳川方と激戦を繰 り広げる。山車の場面は大坂城の一角に陣取り、金色の鎧・兜を身に付け、金箔をほどこした弓矢を手にし、奮戦する 南部信景(上段)。そして、争うきっかけとなった方広寺の釣鐘を中段に配し、下段に真田丸から家康本陣目掛けて突 撃する真田幸村軍を配しました。
【上組町若者連】
虎牢関の戦い~修羅の飛将~
董卓軍(とうたくぐん)の猛将(もうしょう)呂布(りょふ)が洛陽(らくよう)郊外の汜水関(しすいかん)において、関羽(かん う)・劉備(りゅうび)・張飛(ちょうひ)三兄弟と戦い、撤退はしたもののその三兄弟と互角に戦い抜いた場面。
【根城新組山車組】
「馬の殿様」南部通信 奨励 加賀美流馬術 騎射八道
通信は加賀美流馬術の後継者だったため、藩士たちに馬術を練習させ馬政の振興を図った。そのため馬術も発達を とげ藩主自ら師範となり加賀美流馬術を奨励した。山車は南部通信の指揮で騎射八道の馬術を習得する藩士たち。
【賣市附祭山車組】
三太郎外伝 ~日の本の英雄 災いを払う~
桃太郎、金太郎、浦島太郎はお互いを認め合う仲であった。桃太郎は悪事をはたらく鬼一味を征伐する為、犬・猿・雉 を従え出発。一方、金太郎は地震を起こす鯰と、それを操る雷雲を蓄えた悪鬼も鬼一味である事を知り、桃太郎を案じ て助太刀に行く。その頃、浦島太郎のもとに龍宮の遣いが訪れた。火を噴く鳥にまたがる悪鬼が油を撒き暴風を巻き 起こして仲間がやられている。「その悪鬼は桃太郎が征伐に出た一味の者だ。」と聞かされ共に戦う決意をする。
【吉田産業グループ山車組】
江島縁起「天女と五頭龍」
鎌倉には昔、五つの頭を持つ龍がいて村人達に悪行を重ねていた。そうした時、天地を揺るがす大地震がおこり小さ な島ができた。すると美しい天女が舞い降り五頭龍の悪行を諭し結婚する。改心した五頭龍は天災から村人達を守る ようになり、やがては小さな島の対岸の山となってしまう。これが現在の江の島と龍口山(りゅうこうざん)で天女は江島 神社に奉られる弁財天(べんざいてん)、五頭龍は龍口明神社(りゅうこうみょうじんじゃ)に奉られている。山車は天女 が降臨し五頭龍の悪行を改心させる場面を製作した。
【白山台山車組】
武神 刀八毘沙門天 ~群雄関東三国志 上杉を守護す~
群雄割拠の戦国時代。抜群の軍略と勇猛な戦いぶりの軍神とも称される「越後の龍」上杉謙信(うえすぎけんしん)。豊 富な人材を揃え、智謀と采配を恐れられる「甲斐の虎」武田信玄(たけだしんげん)。後北条氏(ごほうじょうし)の三代目 にして、知勇兼備の名将「相模の獅子」北条氏康(ほうじょううじやす)。のちにこの三者の争いは「関東三国志」と呼ば れ、戦国時代を代表する出来事となった。山車の場面は、上杉謙信の崇拝神「刀八毘沙門天」を主役とし、強大な敵 「武田信玄」「北条氏康」に挑む上杉謙信を守護する場面としました。また、この三者の代名詞である、龍・虎・獅子を登 場させ、迫力ある勇壮な場面としました。
おがみ神社
【下大工町附祭】
清正 虎を討つ
肥後の国、熊本城の藩主 加藤清正(かとうきよまさ)。豊臣秀吉の家臣、天正十一年、賤ヶ岳(しずがたけ)の合戦で武 功を挙げ賤ヶ岳七本槍の一人に数えられる。秀吉の命を受け、文禄・慶長の役で朝鮮国へ出兵する。出兵時、度々陣 が虎に襲撃されるが、清正が虎を討つ場面を熊本復興祈願に重ね合わせた山車とした。
【下組町山車組】
舟弁慶 五大明王の守護を受け亡霊を鎮める
壇の浦で平家を滅ぼしたのち兄頼朝(よりとも)と不仲になり追われる身となった義経(よしつね)主従は摂州大物浦(だ いもつうら)から船出をするが、一天俄にかき曇り雷鳴と烈風の大荒れとなり波間の中から亡霊となった知盛(ともも り)、平家一門が現れ恨みをはらさんと襲いかかってくる。弁慶は五大尊を唱え五大明王の守護を受け亡霊を鎮める。 山車はまさに五大明王も現れ一心に念ずる弁慶を主役に前方には平家一門を表現している。
【内丸親睦会】
日本振袖始
「日本振袖始」は、「日本書紀」「古事記」に描かれている素戔嗚尊(すさのおのみこと)の八岐大蛇退治(やまたのおろち たいじ)などのエピソードをもとにした近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)の作品です。出雲国の簸の川(ひのかわ)の 川上、生贄となった稲田姫(いなだひめ)。末を誓い合った素戔嗚尊が策を講じ、八岐大蛇と化けた岩長姫(いわながひ め)を退治し、助け出す場面。題名の「振袖始」には、稲田姫が羽々斬り(はばきり)の名剣を、袂に隠していたため、それ を「振袖」と呼ぶようになったという言い伝えが込められています。
【柏崎新町附祭】
スーパー京劇 盤絲洞
三蔵法師(さんぞうほうし)、孫悟空(そんごくう)、猪八戒(ちょはっかい)と沙悟浄(さごじょう)の4人は経典を求めて天竺 (てんじく)へ向かう途中で、「女人国」という女性しかいない国を通りかかりました。そこに盤絲洞という洞窟に棲む蜘 蛛・蠍・蛙・蛇の妖怪達が「三蔵法師の肉を食べたら長生きができるので、ぜひ捕らえたいものだ」とその機会を伺って いました。蜘蛛の妖怪達は妖術を使って、女性とお婆さんの姿に変わり三蔵法師の信頼を得ました。しかし、孫悟空は 彼女の正体を見破り、雄鶏を苦手な妖怪たちを打ち負かす為金鶏大仙人(きんけいだいせんにん)を呼び寄せ壮絶な 闘いを繰り広げ、最後に孫悟空らは妖怪に打ち勝ち三蔵法師一行は再び天竺への遠い旅路につく。京劇の華やかさ と妖怪達の闘いを表現。
【淀山車組】
神女七福揃・壽柱建之躰
山車の上段では、八百万(やおよろず)の神々の中から美女の神七傑、伊邪那美命(いざなみのみこと)[毘沙門天]、天 照皇大神(あまてらすおおがみ)[大黒]、豊玉姫命(とよたまひめのみこと)[恵比寿]、木花咲耶姫命(このはなさくやひ めのみこと)[寿老人]、須勢理姫命(すせりひめのみこと)[福禄寿]、天宇受売命(あまのうずめのみこと)[布袋]、市杵 島姫命(いちきしまひめのみこと)[弁財天]、を選び七福神の衣装を纏い宝船に乗せました。山車の中段と開転部には、 七福神と唐人たちが巨大な壽の文字を飾り立て幸福を祈ります。また、めでたい鶴亀や鳳凰も現われ巨大な福熊手も 取り付けられ三社大祭ユネスコ登録と八戸の発展を祈るめでたい山車に仕上げました。
【城下附祭】
斐伊乃氾濫 素戔嗚尊 八岐大蛇退治
出雲国(島根県)斐伊川の上流に降り立った素戔嗚尊は、櫛名田比売(くしなだひめ)を間に老夫婦が泣いていたので 訳を尋ねた。八人の娘達が毎年一人ずつ八岐大蛇に食べられ、今年もその時期が近付いてくると答えた。哀れと思っ た素戔嗚尊は、「八岐大蛇を退治する代わりに櫛名田比売を嫁に欲しい」と申し出、老夫婦は喜んでそれを承諾した。 八岐大蛇を退治する為に素戔嗚尊は、八つの樽に酒を入れて八岐大蛇に飲ませ、酔って眠った所を十束剣(とつかの つるぎ)でずたずたに斬った。
【新井田附祭振興会】
八戸えんぶり 『予祝の舞』
山車全体にえんぶりの場面を表現し、左右の展開部には、新羅神社宮司、橘籐九郎(たちばなとうくろう)を先頭とし、 太夫、囃子方、子供の舞手等を配置、舞を見守りながら音頭を取る毘沙門天とお囃子を弁財天、山車中央には七福 神の恵比寿様と大黒様、布袋様が烏帽子をかぶり太夫とともに摺って、寿老人と福禄寿が音頭を取っている。山車の 主役、天照大御神(あまてらすおおみかみ)は、一年の豊作祈願をする場面としました。
【青山会山車組】
追奔逐北・吉備津彦命の鬼退治
むかし吉備国に、異国より空をとんでやってきた温羅(うら)という鬼が住んでいました。温羅は新山に城を築き人々を 襲っていました。都の朝廷も武将を遣わし討伐しようとしましたが、変幻自在の温羅に誰も勝てませんでした。そこで彦 五十狭芹彦命(ひこいさせりひこのみこと)が派遣される事になり、大軍を率いて吉備国に下りました。温羅と命は互い に変幻自在に、雉、鷹、鯉、鵜に姿を変え激戦を繰り広げ、ついに命につかまった温羅は降参しました。人民から呼ばれ ていた「吉備冠者(きびのかじゃ)」を命に献上し、それ以降、命は吉備津彦命と呼ばれる事になりました。
【朔日町附祭】
海波駆ける義経 八戸神力のもと蝦夷へ渡る
源義経は平泉にて自害したとされていますが、密かに生き延び、八戸に上陸したのち竜飛岬で授かった龍馬にて海を 渡り、北海道へ辿り着いたという説もあります。これが所謂「義経北行伝説(よしつねほっこうでんせつ)」です。義経北行 の足跡は今も八戸に多く残されており、歴史浪漫を感じることが出来ます。この伝説をもとに、山車正面には小田八幡 宮の毘沙門天、藤ヶ森稲荷神社の荼枳尼天(だきにてん)、おがみ神社の北の方といった義経に縁ある八戸の神仏に よる加護のもと、龍馬に跨り北の地を目指す義経一行を表現しました。
【十一日町龍組】
熊本地震復興祈願 歌舞伎十八番「暫」大鯰退治の場
鯰が大地震を起こすという俗説による「鯰絵」をモチーフにしております。歌舞伎十八番の一つ『暫』には悪役「鯰坊 主」が登場し、主人公「鎌倉権五郎景政(かまくらごんごろうかげまさ)」に対し地震を背景とした強がりを言う場面があ ります。江戸時代以降に発行された鯰絵にも、『暫』を題材としたものが見受けられることから、山車は、『暫』の主人公 が鯰坊主と大鯰を要石で押さえつける場面。要石で抑え大地震が起こらないようにと願いを込めた山車となります。
【塩町附祭組】
(新)連獅子
展開部は、手獅子を持った狂言師右近(うこん)と左近(さこん)が親子の舞をしていると獅子の精が乗り移り大きな 獅子にまたがり親子そろって毛振りをする場面です。上段から中段へ川が流れ、主役の親獅子と中段の小獅子(2体) が石橋の上で親子揃っての毛振りの場面となっています。また、主役の背景は歌舞伎の舞台を思わせる作りとなって おります。
長者山新羅神社
【八戸共進会山車組】
俵藤太の大百足退治
今からおよそ1090年前、近江の国田原の里に住んだ藤原藤太秀郷(ふじわらとうたひでさと)は田原藤太(たわらとう た)と呼ばれ武勇にすぐれ弓術に秀でていた。ある日竜神に三上山に棲む大百足に苦しめられ困っているので退治し てくれるように頼まれてその大百足を得意の弓で退治する場面。
【糠塚附祭組】
八戸市民の想い 本地辨財天 蕪嶋神社復興
御柱を運ぶ六つの神々
蕪嶋神社焼失による八戸市民の神社再建への想いを受けて蕪嶋神社の祭神である蕪嶋大明神本地辨財天が蕪嶋 神社再建のため、蕪島の象徴、そして、富を運んでくるとされるウミネコに乗り、恵比寿天、大黒天、毘沙門天、福禄寿、 寿老人、布袋尊の六人の神様と一緒に御柱を運び蕪島へ向かう場面。
【長横町粋組】
大漁豊作加護 福徳 七福神
浜の漁師と共に、大鯛、小鯛を釣り上げて大漁を喜ぶ恵比寿様と、牛に股がり豊作を喜ぶ大黒様と、翁と嫗、子供達 を末永く見守る毘沙門天を配置した。上段には豊作と大漁を祈願して、弁財天の琵琶の奏で舞い遊ぶ寿老人、福禄 寿、布袋様を配置して、八戸の更なる発展とすべての人々に福が舞い降ります様にと願いを込めた、めでたづくしの山 車になっている。
【六日町附祭若者連】
五条大橋
誰でも知っている牛若丸と弁慶の話。京都の五条大橋で、牛若丸と弁慶が初めて出会う。牛若丸が八天狗を引き 連れて大男の弁慶をやりこめる場面。
【類家山車組】
三社御祭神の御前にて七福神山車を引き出す躰
~昭和43年類家第一位の八犬伝の山車を復元~
三社の御祭神である天照皇大神、法霊大明神(ほうりょうだいみょうじん)、新羅三郎義光命(しんらさぶろうよしみつ のみこと)の御前で七福神と類家山車の若者連中が昭和43年に類家山車組で第一位を受賞した「南総里見八犬伝 (なんそうさとみはっけんでん)・芳流閣(ほうりゅうかく)の場」を復元し、引き出す場面を製作しました。丘は満作、浜は 大漁、三社大祭ユネスコ無形文化遺産登録や併せて八戸市の発展を祈願します。
【十六日町山車組】
三国志・孟獲伝~蜀に挑みし護郷の決意~
中国・漢(かん)の時代、全土に群雄が割拠し覇を争う。そして多くの英雄と無数の伝説が生まれた。しかし勢力は魏 (ぎ)・呉(ご)・蜀(しょく)の三国へと収束していく。この動乱の物語を三国志と言う。蜀の南方、雲南の地の王・孟獲は この三国勢力に従うをよしとせず、独立の道を目指す。これを蜀は反乱とみなし、ここ雲南に蜀の大軍が押し寄せる。 ―故郷を護る―この決意を胸に、孟獲率いる南方の連合軍は決死の戦いに挑むのであった。
【鍛冶町附祭若者連】
狐の嫁入り
日照りがつづき村人達は、龍神に生け贄を捧げ雨乞いをすることにしました。生け贄は狐の娘お紺(おこん)。村の竹 蔵の嫁にすると話をもちかけ、祝言後に捕らえて生け贄にするという計画です。しかし美しい花嫁姿のお紺狐を、あわ れに思った竹蔵は、こっそり逃げるようにすすめました。けれども前から竹蔵が好きだったお紺は、逃げずに、竹蔵のた め龍神に身を捧げ、恵みの雨を降らせました。狐火がとぶ、妖しくも美しい狐の嫁入り行列が、竹蔵の元にやってくる光 景。向かって右は、雨を降らす勇壮な龍神です。
【八戸市職員互助会】
蓬莱山 ~不老長寿の神仙境~
蓬莱山は、古代中国、東の海中に有り、不老不死の仙人が住むと言われる仙境の一つで、日本では「とこよのくに」と も言われ、結婚の結納飾りを「蓬莱」と呼ぶなど、めでたい神島です。山車場面は、松竹梅や紅葉などが咲く蓬莱山 で、龍、鳳凰、亀、鶴、鯉、獅子、虎の霊獣に乗り、空や海を駆け巡る仙人の姿を表現しており、短命県返上、そして不 老長寿、幸福を呼び込む山車としました。
【吹上山車組】
本地弁財天と福の神々 ~蕪嶋神社の再建を願う~
ウミネコ舞い飛び、蕪ノ花が満開の蕪島を舞台に、蕪嶋神社の主祭神であられる本地弁財天様(ほんじべんざいてん さま)と、同じく主祭神であられる多紀理昆売命様(たぎりひめのみことさま)はくじらと、多岐都比売命様(たぎつひめ のみことさま)は龍とともに、そして蕪島におられる七福神様が現われた。雅楽舞う童子たち、巫女やウミネコの化身た ちとの賑わい揃い。蕪嶋神社の再建を願う画面。
2016(平成28年)八戸三社大祭チラシ
2016年八戸三社大祭のチラシは八戸観光コンベンション協会のホームページに掲載されています。
- 行事日程
- 放送時間
- 八戸市街地周辺の交通案内
- お通り・中日・お還り・前夜祭/後夜祭の運行経路と時間
- 一般車有料臨時駐車場の情報
- 八戸三社大祭について
などが載っています。
今年も出揃った山車題名。
2016年の八戸三社大祭に向けてワクワクが一気に高まりますね!
今年もチラシを手に、題名や場面を見ながら27台の山車をお楽しみ下さい!
最新情報をお届けします
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