がんばった！

 

昨日がんばった自分を褒めてあげたい！

 

そんな気分のからくり屋永匠堂です。

 

朝の9時から夜の11時半まで山車小屋でびっちり作業しました。

おっそろしく蒸し暑い一日で疲れましたねー。

 

皆さんもしっかり水分補給しながら

体調崩さないようにがんばりましょうね！

 

さて、今年の十六日町山車組の題材についてコメントを頂きました。

ちょうどいい日なので解説させて頂きます。

 

何がちょうどいい日なのかというと・・・。

 

 

今日は七夕ですね！

 

七夕といえば織姫と夏彦の伝説が有名です。

 

一年に一度、七月七日の夜に

織姫が夏彦の元へ川をわたって会いに行く

という伝説です。

 

 

さて一方、今年の十六日町山車組の題材ですが

七夕伝説と同じように

愛する男のもとへと女が川をわたって会いに行く

というお話です。

 

ただしこちらは激しく片思い。

男の方は逃げに逃げて最後は女に殺されてしまいます。

 

もう何の話かわかった方もいらっしゃるかと思います。

 

 

タイトルはずばり！

 

安珍・清姫伝説

 

蛇身　清姫

 

（あんちんきよひめでんせつ　じゃしんきよひめ）

 

 

 

 

 

山車の題材としては古今東西いろんな表現をされてきた題材です。

人形浄瑠璃で演じられるストーリー展開が王道でしょうか？

 

簡単に物語の内容を説明すると

 

安珍というイケメン修行僧が参拝の途上、ある家に宿を借りました。

その家の娘、清姫は安珍に一目惚れ。

ものすごく積極的に迫ります。

 

うっわやべーそんなつもりねーしと思った安珍

帰りに必ずまた寄るからと嘘をついてバックレます。

 

嘘に気づいた清姫、それはもう怒りに怒り安珍を追いかけに追いかける。

一方追われる安珍もさらに嘘に嘘を重ねて逃げまくり。

途中の寺で神頼み、清姫に金縛りをかけてまで逃げようとします。

まあでもこの状況。

そんなことしたら火に油ですよね。

怒り心頭の清姫、その姿は人としての姿を失っていきます。

 

体の一部はすでに蛇となり

日高川まで追いかける清姫。

 

しかしこの川の渡し船は

「誰か追ってきたら船に乗せないでくれ！」

と安珍からすでに頼まれています。

 

ところがどっこいもはや人としての姿をとどめていない清姫。

とうとう蛇の身となりて川を泳いで渡り

物語のクライマックスの舞台、道成寺まで安珍を追い詰めます。

 

道成寺の坊主たち、必死の形相で助けを求める安珍に

同業のよしみか、よっぽど安珍が必死だったのか

鐘の中に隠れるよう安珍に協力します。

 

そこへ辿り着いた蛇身・清姫。

すでにその姿は人にあらず。

 

鐘の中に隠れている

愛しさ余って憎さ100倍の安珍に

簡単に気付いちゃいます。

 

すでに蛇と化したその身を鐘に七回転巻き

尻尾の先で鐘をゴーン、ゴーンと打ち鳴らし

炎を吐いて鐘の中の安珍を焼き殺します。

 

その後の清姫については諸説ありますが

蛇身のまま入水したという話が伝えられています。

 

 

 

 

メデタシメデタ・・・

 

って全然ハッピーエンドの欠片もねえ!?

 

非常に誰ひとり幸せにならないお話ですね。

七夕伝説とは結末が全く違う方向に行ってしまいます。

 

この道成寺伝説、後日談もいろいろあります。

 

今年の十六日町山車組の見返しのそのひとつ。

 

京鹿子二人娘道成寺

 

白拍子　花子

 

（きょうがのこににんむすめどうじょうじ　しらびょうしはなこ）

 

 

こちらは歌舞伎の演目を元にした題材ですが

道成寺で焼かれた鐘を作り直し奉納の儀式を開こうとしたところ

どこからか現れた白拍子（当時の踊り子のような存在？）の花子と名乗る女。

舞いながら鐘へと近寄ると突然鐘の中へ飛び込み

次の瞬間鐘の上には恐ろしい蛇の化け物が現れます。

この花子こそ清姫の怨霊でした、というお話。

 

 

清姫さん、死んでもなお呪い続けます。

 

 

能や人形浄瑠璃、歌舞伎や長唄など

いろんな分野で展開する安珍・清姫伝説ですが

終始一貫してのテーマは

 

 

 

「女の嫉妬は恐ろしい。」

 

 

男性の皆さん、昔から語り継がれる

故人の教えを肝に銘じておきましょうね・・・。