野川北山―――――――――
この響きが、去年の夏からずっと頭の中で繰り返されます。
からくり屋永匠堂が、このブログをやっていて本当に良かったと思える大きな出来事の一つ。
二代・野川北山先生と出会い、親交を結ぶこととなった経緯について書いてみたいと思います。
と、その前に。
二代・野川北山という人物、そして野川家について知っていただくため、こちらのサイトをご覧ください。
野川家は四代、100年以上にわたり文楽人形をはじめ、劇人形、能面、人形制作をしている彫刻師の家系である。
野川家代々の歩みと同じく二代北山も能面師として活動しながら、最上地方や東北各地の祭り人形の制作や劇人形の制作も手掛けている。
そして野川北山先生を語る上で欠くことのできない、山形県は新庄市、260年の歴史を持ち八戸三社大祭と同時にユネスコ文化遺産登録を申請している「新庄まつり」について。
今年260年祭を迎えるまつりはその長い時の流れの中で、少しずつ変貌を遂げてきました。しかし、いくら歳月を重ねても、変わらなかったものは、人々のまつりにかける情熱です。宵まつり・本まつりに絢爛豪華を競う山車パレード、古式ゆかしい神輿渡御行列、新庄城址で踊られる風雅な萩野鹿子踊・仁田山鹿子踊…。藩政時代をしのぼせる歴史絵巻が繰り広げられる新庄まつりは、この地に住む人々の心の風景に刻み込まれ、これからも未来に伝えられていきます。
新庄まつりについてはまた別の記事でじっくり。
野川北山先生、このように凄い方なんです。
きっかけは去年、2015年の山車製作シーズン真っ只中の6月のことです。
ある日、からくり屋永匠堂へと一通のメッセージが。
発信者の名は「野川北山」。
なんだなんだすげー人からメッセージ来たぞとソワソワするからくり屋永匠堂。
返信すると、またお返事を返してくれる北山先生。
最初は差し障りない挨拶からでしたが、メッセージのやり取りをしている間に祭りや山車についてどっぷり深い話をしたり、アホな話もしたり。同年代ということもあり会話も弾みました。
特に山車についての語らいはお互いにヒートアップして、「すごい長文お疲れさまです(笑)」なんてからかい合いながらメッセージのやり取りが続きました。
すっかり打ち解けた頃、北山さんからある提案が。
「八戸に遊びに行ってもいいですか?」
おおおまじで!?ぜひぜひどうぞ!と盛り上がり日程などを詰めました。
新庄山車連盟顧問や新庄まつりのテレビ解説者などを務められている北山さんですが、今回は完全にプライベートでの一泊二日旅行です。
なのでからくり屋永匠堂やその山車仲間と気軽に山車小屋ブラブラ(小屋ブラ)したり、夜はお酒を飲みましょう、くらいのざっくりプラン。
山車小屋の灯りが消えるのが遅くなる7月初旬の八戸市。
八戸駅で北山先生を出迎え、まずはユートリーに展示してある山車を見たあと早速小屋ブラ開始。
とは言っても平日の昼間なので開いてる小屋はほとんどありません。
まずは江陽山車小屋村(勝手に命名)で、2015年の伝統山車賞に輝いた下大工町附祭や塩町山車組の山車小屋を見学させて頂き、その後長者まつりんぐ広場へ。
十六日町山車組の山車小屋をじっくり色々お見せした後、鍛冶町附祭若者連で下崎さんに八戸の山車作りを解説して頂いたり。
十六日町山車組の山車を見上げる二代・野川北山プライベートver.
経歴や立場と、このラフさのギャップがまたカッコイイ。
新庄まつりの山車にはない「見返し」に、歌舞伎十八番「鳴神」の一場面を製作途中です。
歌舞伎にも精通する野川北山先生に2015年の主役、鳴神上人の2mを超える超特大人形と見得ポーズを見て頂きました。
そして十六日町山車組の人形師松橋さんの造った顔を野川北山先生にお見せし、各山車組で様々な手法を用いて作っている八戸三社大祭の山車人形の顔を説明しました。
そうこうしているうちに辺りは暗くなり、まつりんぐ広場に鳴り響くお囃子の練習を聞きながら山車好き仲間と一緒に居酒屋へ!
北山先生の人形の作り方や新庄まつりについて色んな話を聞かせて頂きましたし、北山先生も八戸の山車作りや祭り事情に興味津々で、色んな話をしました。
そして最後はイキツケのお寿司屋さんへ。
本当に楽しい夜でした!
そう、本当に楽しすぎたんです…。
次の日、前日に調子に乗りすぎたからくり屋永匠堂はひどい二日酔いに…。
ゴメンナサイ北山先生。そして心配してくれてありがとうございました。
二日目はそんな絶不調のからくり屋永匠堂と北山さんでもう一度十六日町山車組の山車小屋に行ったり、八戸ポータルミュージアムはっちを見たり。
この辺で少し回復してきたからくり屋永匠堂。二日酔いの時って温かい麺つゆ飲みたくなりますよね?
てことで2人で番丁庵で蕎麦を食べました。番丁庵おいしいですよね!
蕎麦の食べ方もかっこいい野川北山さん。
文化人っぷりが垣間見える食べ方。真似したい(笑)
そしてそろそろ新幹線の時間。
これからもよろしくお願いしますと再会を約束し、改札前で見送りました。
この後も何度となく連絡をとり、今年もお会いする予定です。
次は飲み過ぎないように気をつけます…。
野川北山―――――――――
四代続く家系の能面師・人形師であり、一個人としても魅力溢れるひたすらかっこいい男。
からくり屋永匠堂にとって素晴らしい出会いであり、これから八戸三社大祭と新庄まつりにとっても素晴らしい出会いになっていくきっかけ作りになったりしないかな、なんて思っています。
北山さん、これからもよろしくお願いします!
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