さてさて、とうとう十六日町山車組の今年の題材と山車絵をご紹介!
別にもったいぶって出さなかったわけではなく、何となくタイミングを逃しただけです(笑)
それでは2015八戸三社大祭、十六日町山車組の山車絵はこちら!
題名は
「鳴神」
~盟い破れて鳴る雷と化す~
(なるかみ ちかいやぶれてなるいかづちとかす)
今年は歌舞伎十八番の一つ、鳴神です!
もちろん主役は鳴神上人。
以下が十六日町山車組として観光コンベンション協会に提出した山車のあらましです。
歌舞伎十八番のひとつ「鳴神」の有名な場面を、山車だからこそできる
大胆な構図と自由な想像性を取り入れ表現しました。
向かって左手前には色香で鳴神を惑わし見事封印を破った雲の絶間姫、
右手前にその師匠であり雷神不動北山桜に登場する陰陽師安倍清行、
主役は演目終盤で荒れに入り大いに見得を切る鳴神上人を配置。
解き放たれた龍神と鳴神の発する雷を各所に配し、場面となる滝が
ダイナミックに山車全体を流れ落ちる構図としました。
主役の他の主要人物として、向かって左手前に雲の絶間姫が水神封印の注連縄を切る場面を配置。
右手前には、鳴神が一つの演目として独立する前の通し狂言「雷神不動北山桜」からゲスト出演の安部清行。
そして解き放たれた龍神が雨を降らせ大水を呼び、怒り狂った鳴神上人が止める坊主たちを見境なく投げ飛ばす、そんな場面です。
また副題の
「盟い破れて鳴る雷と化す」
について。
鳴神上人は物語の中で、次の3つの「盟い」(ちかい)を全て破られてしまいます。
- 朝廷との戒壇建立の約束
- 雲の絶間姫との夫婦の誓い
- 鳴神上人が水神を封じた行法
これらの盟いを破られたことに気付いた鳴神上人、怒りの化身となって地面に突っ伏した状態から発する名台詞がこれ。
「やあら無念や、口惜しやな。
寸善尺魔の障碍、仏罰を蒙って密法の行を破られしよな。
よし我破戒の上からは、生きながら鳴る雷となって、かの女を追っかけんに、何条難きことあらん。」
この台詞のあと、ぶっ返りから荒れに入るところが演目最大の見所です。
この台詞から一部をとり副題としました。
歌舞伎の、とりわけ市川團十郎の得意とする荒事芸の格好良さを山車の上に表現したくてのこの題材です。
そして滝!岩!龍!
これらが山車全体としての格好良さをどれだけ引き上げられるか!
今年はそんなテーマに沿っての十六日町山車組の山車。
製作途中の写真はちょいちょいご紹介してますが、この山車絵からどんな山車が出来上がるのか。十六日町山車組の製作スタッフもまだワクワクしています。
もしよろしければ、十六日町山車組の山車がどのように完成したかを、2015年八戸三社大祭の本番でご覧頂ければ幸いです。
さあ引き続き楽しみながら
山車の完成を目指します!
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